さよならリミットブルー
「やったな」
「うん!碧人くんの声……ちゃんと届いたよ」
わたしが最後のサーブを打とうとしたあの瞬間。
碧人くんの声が聞こえていなかったら、今のような結末にはならなかったかもしれない。
あの時、わたしに力をくれたのは間違いなく碧人くんだった。
「そうか……じゃあ……えっと………その、な……」
「ん?」
少し顔を赤らめて、なぜか口元を気にしている。
なんだろう。
「ーーー芽衣子」
っ……!
碧人くん、今……。
今、わたしのこと……名前で……。
「約束したからな……」
照れくさそうにわたしを見る碧人くんの視線が熱い。
熱くて、眩しくて、溶けてしまいそう。
「うんっ……!」