さよならリミットブルー
「………あのさ、碧人くん」
「なんだ?」
「記憶が戻ったらまた一緒にこの場所に来ようね」
碧人くんを繋ぎ止める理由が欲しい。
「約束……だよ………?」
確かな約束が欲しい。
わたしは弱いから、言葉にして紡がないと寂しくて仕方がない。
どんなに碧人くんのことを1番に考えようとしても、結局行き着く感情は自分のこと。
ほんと、ダメだなぁ。
「わかった。約束する」
ふわりと頭に優しいぬくもりが落ちた。
碧人くんの、手。
碧人くんが触れるとなんだか安心して心が落ち着く。
「ありがとう」
ひと言返すだけで精一杯のわたしに、
「ん、別に」
そう言って優しく笑ってくれた。