さよならリミットブルー
長い階段を下りた後も特に会話は続かなくて、微妙な空気のまま目の前に迫ったコンビニの自動ドアが開いた。
さっき撮ったばかりの写真をインターネットサービスを通してコピーする。
最近の技術の進歩はすごい。手順は全部教えてくれるし、何10分も掛からない。
サクサク進んですぐに取り出し口から写真が出てきた。
「はいっ、1枚は碧人くんの分だよ」
「俺のもあるのか?」
「うん。記念ってことで」
初めて撮った碧人くんとのツーショット写真。
なんだか嬉しいな。
この写真を見るたび、きっと今日を思い出すに違いない。
「よーし、じゃあ気を取り直して今度は商店街の方行ってみよっか」
10分も経たずにコンビニから出ると、相変わらず太陽の日差しが眩しかった。
隣に並ぶ碧人くんも「暑すぎ……」と今日は何度も同じセリフを繰り返している。