さよならリミットブルー

わざわざ通学用の鞄に拾ったピアスを入れ直し、いつか会えるんじゃないかと淡い期待なんかして。


どこの学校に通っているのかな。

名前すら知らないんだもの、探すのは不可能に近いってわかってるけど……わかりたくなかった。

「はぁ……」

自然とため息が溢れた。


また、占いサイトをあてにしてみようかな。

ブックマークに入れた占いサイトを今日も開く。

『今日最も悪い運勢なのはやぎ座のあなた!軽はずみな発言をして問題発生。身勝手な行動は控えよう!ラッキーアイテムはスマートフォン』


「げっ、最下位だ!」

昨日は1位だったのに、今日は最下位だなんて温度差が酷いや。

励まして欲しくて見たのに、これじゃあ逆効果だよ。

占いのおかげで良いことがあったから、以前よりは信じるようになった。だから最下位だと少し残念。


「ねぇ、あたしは何位だった?」

「おとめ座だっけ?えーっと、今日は3位だって」

「やった!何かいいことあるかも」

「あるといいね」

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