さよならリミットブルー

そうして桃花と朝の時間を過ごしていたら、ガラッと勢いよく教室のドアが開いた。

先生かと思って顔を向けたけれど、開けたのはクラスメイト女の子。

遅刻をしたわけでもないのに息を乱しているから、みんなが気になって彼女を見た。


「大ニュース大ニュース!今日、超イケメンの転校生が来るんだって!!!!」


「え!超イケメン!?!?」

「それほんと!?ドッキリとかじゃなくて!?」


転校生……?と、わたしは首を傾げたのに、その他の女の子たちは目の色を変えてざわついていた。


なにやら転校生よりもイケメンに反応しているようで、教室が一気にお祭り騒ぎ。

面食いな桃花も顔を赤らめて「彼氏よりかっこよかったらどうしよう〜」と、ニヤニヤしている。


そして、騒がしい女子とは対照的に、男子は呆気に取られてつまらなそうにしていた。

男はイケメンに興味ないもんね。

わたしも人の顔に興味がある方じゃないけど…………イケメンの転校生かぁ。


まさか、ね。

違うだろうと思いつつも、昨日のあの人が脳裏に浮かんでしまった。


そんな偶然が起きないことくらいわかっているのに、どこか期待してしまう自分が嫌になる。


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