さよならリミットブルー

ちょうど約束の11時ぴったりに、北上さんが遊園地の入場口前までやって来た。


……今日の北上さんすごく可愛いな。


初めて会ったときはほとんどノーメイクだったけれど、今日はほんのり顔が色づいている。

すっぴんでも十分綺麗だったのに、少し化粧をするだけでもっと女子力に磨きが掛かっているなんて。

まさに美少女って感じ。


「芽衣子ちゃんはまだ来てないんだね?」

「あぁ、そうみたいだな」


うっ………。

入り口付近でキョロキョロとわたしの姿を探す2人に少し罪悪感を覚えた。

だって、どんなに待ったってわたしが2人の元へ行くことはないから。


最初からそういう“作戦”だったもの。


落ち着きがない2人を監視つつ、慣れた手つきでメッセージ画面を開いた。

送り主はもちろん碧人くん。

よし、送信っと………。
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