さよならリミットブルー
「なんだぁ?今日は随分騒がしいな」
すると、そんな騒がしい教室に、大きなあくびをしながら担任の先生がタイミングよく現れた。
「先生っ!転校生はまだですか?」
「早く会いたいんですけど〜!!」
来て早々クラスの女子から質問攻撃を受けている。
もう1秒も待てないという、うずうずした顔ばかりだ。
わたしの前に座っている桃花も「先生早くして〜」と参戦していた。
「最近は情報回るのが早いねぇ。ったく、どこから嗅ぎつけてくるんだか」
やれやれと困り気に首を振る先生に少し同情する。
あはは………先生も大変だな。
「転校生の話題で盛り上がるのもいいけど、先に席着け。もうすぐチャイム鳴るぞー」
眠そうな瞳を揺らす先生が1歩前に足を進めると、なんだか見覚えのある人影がドアの辺りにチラついた。
「あの、まだですか」
…………えっ。
「あー、待たせて悪いな。もう入っていいぞ」