さよならリミットブルー

「あっ、芽衣子からメッセージだ」

「なんて?」

「えっと『ごめん熱が出て今日行けなくなっちゃった。お土産にチョコクランチ買ってきてくれると嬉しい』って…………はぁ!?」


ふっふっふ………。

わたしの考えた作戦とはズバリ『碧人くんと北上さんを恋人に戻してあげよう作戦!』名前の通り、そのままの意味だ。


以前使っていた『碧人くんの記憶を取り戻そう大作戦』と書かれた懐かしのノートを引っ張り出して、今日のための作戦をずっと考えていた。

といってもノートに書いたのはたった数行で、わたしのやることはほとんどないけれど。


わたしの役目はこうだ。

まず、わたしと碧人くんと北上さんの3人で遊園地に行こうと嘘の約束を取り付けること。


碧人くんと北上さん2人で遊んで来てと言ったら絶対断られると思ったから。

3人で行くことにも碧人くんは渋々って感じだったし、嘘でもつかないと絶対オッケーはしてくれなかったはず。

当日わたしがドタキャンすればなんの問題もない。


次は、2人きりになった碧人くんと北上さんが楽しめているか見守ること。

北上さんの性格からして、碧人くんの記憶の核心に触れるようなことはそう簡単に言わないだろうけど、一応念のためってことで。

それに2人がどんな話をするのか気になるし。


なんて。

2つ目の理由が1番わたしの本心に近いのかもしれない。

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