さよならリミットブルー
「ジェットコースターに乗るのは高1以来かなぁ。なんだかドキドキするね」
「そう、だな……」
俺たちが案内されたのはちょうど先頭車両だった。
そういえば記憶を失くしてから遊園地には初めてきたけど、案外俺は絶叫系に抵抗ないんだな。
昔の俺も今と変わらず乗れていたのだろうか。
「うーっ、緊張感してきた」
隣の座席に座る北上さんは、安全レバーを力強く握りながら深呼吸を繰り返している。
瞳をキラキラと輝かせながら前を向いて………。
なんでそんな顔できるんだよ。
隣にいるのは最低な態度ばかりとる俺なのに。
なんで、そんな……。
「楽しくもないのに、なんでそんなに笑えるんだよ」
「えっ……?」
どうしても北上さんのことが知りたくて、たまらず言葉を零していた。
俺相手にそんな無理しえ笑わなくたっていいのに。
北上さんの行動全てが疑問に思うことばかり。
俺に笑いかけてなんの得があるっていうんだ。