さよならリミットブルー

わたしはいったい何のためにこんなところまで来たんだろう。


ただ遊園地の景色を楽しみに来たわけじゃなくて、碧人くんと北上さんを見守るために来たはずなのに…………。

まさか2人を見失ってしまうとは、飛んだ失態だ。


「なんでこうなるかなぁ……」


近くにあったベンチに腰掛け、ぐったりと背もたれに身を預けた。


もちろん初っ端から碧人くんたちを見失ってしまったわけではない。

2人が3つ目のアトラクションに選んだお化け屋敷に入った後、行方がわからなくなったのだ。


出口でずっと待っていたのに2人はなかなか出て来なくて、碧人くんたちより後に入ったカップルが出口から歩いてくるのを見て、ようやく見失ったことに気づいたというわけ。


普通なら出口でずっと見張っていたなら見失うはずがない。

そう思うけど………。


何を隠そうわたしはお化けや幽霊などの怖いものが大の苦手だったのだ。

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