さよならリミットブルー
急になに………!?
そう思ってすぐに後ろを振り返ると、
「こんなところで何やってるんだよ、芽衣子」
ニコニコと不敵な笑みを浮かべた碧人くんが立っていた。
「碧人くん………!?」
なっ、なんで碧人くんがここに………?
てゆうか、これでも一応変装してきたのになんでバレてるの!?
暑いのを我慢してマスクにメガネに、帽子まで付けて完全防備をしていたはずなのに。
「今日は熱があるから来られないんじゃなかったのか?」
「うぐっ……」
碧人くんと会ってまだ1分も経過していないのに、いきなり直球すぎる質問がわたしに飛んできた。
このっ……痛いとこついてくるなぁ………。
「えっと、その……熱が引いたから来てみたって言うか……あは……」
微妙な笑顔を浮かべながら吐いた言葉は、当然顔に見合うくらいの下手くそな言い訳しか出てこない。
悟られまいと今更視線を逸らしても、たぶん意味はなかったと思う。
「芽衣子の考えてることなんか全部わかってたよ。最初から来る気なかったんだろ?」
今更目を逸らしたって、碧人くんにはすべてお見通しだったから。