さよならリミットブルー
うぐっ……。
おっしゃる通り。図星すぎて、下手な言い訳も出てこない。
「………ごめんね」
「別に謝らなくていい。俺のために計画してくれてたんだろ?」
「う、うん」
「ほんとバカなヤツ。これでも食べて反省しな」
「これって……」
目の前に突き出されたのは箱に入ったチョコクランチだった。
たぶんこの遊園地のものだ。
「お土産欲しいって言ってただろ」
あっ、そうだった。
2人がすぐ帰らないためになんとか繋ぎ止める理由がほしくて、「お土産買って来て」とか言ったんだっけ。
今の今まですっかり忘れていた。
わたしが見失っている間に買ってきてくれたんだ……。
わたしの頭にぶつかった固い物体も、このチョコクランチの箱だろう。
「ありがとう……」
恐る恐る伸ばした手で箱を掴むと「食べ過ぎて太るなよ」なんて碧人くんの余計なひと言まで貰ってしまった。