さよならリミットブルー
「ははっ……なんだよその返事。変なヤツ」
変なのは碧人くんの方だよ。
北上さんと一緒に居て何か考え方が変わったのかな。
ーーううん、それよりも。
「……っと、わぁ!すごい景色綺麗だなぁー!」
これ以上碧人くんと目を合わせていたら熱くて倒れてしまいそう。
だって碧人くんすっごい笑顔なんだもん。
眩しすぎてドキドキする。
強引に視線を逸らして、外の景色を眺め始めた。
茜色に染まった街並みが淡く滲んで確かに綺麗。
まだ夏なのに今だけ秋がきたみたい。
観覧車に乗ったのはたぶん小学生以来だと思うけど、こんなに素敵な景色が見れる乗り物だったんだね。
「乗ってよかっただろ?」
「うん……!」
ゆれる街並みに目を奪われていたところだっが、視線の端に気になるものが映った。
観覧車の扉付近に刻まれた金色の文字。
なんだろう?
えーっと………。
「『この観覧車では、頂上でキスを交わすと願い事が叶うというジンクスがあります』……….?へぇ、すごいロマンチックなジンクス!」
さすがはデートの定番遊園地。
こんなジンクスまで用意されてるんだなぁ。