さよならリミットブルー
「それなら、俺の願い事を叶えてもらおうかな」
そっと碧人くんの手が頬に触れた。
ビクンと肩が跳ねたわたしを見て、くすくすと楽しげに笑ってる。
…………碧人くんの手、熱い。
これじゃあ、熱で溶けちゃいそうだよ。
「碧人くんの願い事ってなに………?」
「唇からきっと伝わるよ」
わたしを惑わす甘い言葉。
いつもの碧人くんじゃないってわかってるのに。
抵抗する言葉も気力も碧人くんに奪われてしまったんだ。
「目、閉じて」
抜け殻になった体は、碧人くんの言葉を受け入れるしかなかった。
このまま碧人くんとキスしちゃっていいの?
自分から話題に出したとはいえ、こんなことしたらわたしたちは友達に戻れないんじゃないかな。
キスをした後、わたしたちの関係はいったいどうなるの………?