さよならリミットブルー

「それなら、俺の願い事を叶えてもらおうかな」


そっと碧人くんの手が頬に触れた。

ビクンと肩が跳ねたわたしを見て、くすくすと楽しげに笑ってる。


…………碧人くんの手、熱い。

これじゃあ、熱で溶けちゃいそうだよ。


「碧人くんの願い事ってなに………?」


「唇からきっと伝わるよ」


わたしを惑わす甘い言葉。

いつもの碧人くんじゃないってわかってるのに。

抵抗する言葉も気力も碧人くんに奪われてしまったんだ。


「目、閉じて」


抜け殻になった体は、碧人くんの言葉を受け入れるしかなかった。


このまま碧人くんとキスしちゃっていいの?

自分から話題に出したとはいえ、こんなことしたらわたしたちは友達に戻れないんじゃないかな。


キスをした後、わたしたちの関係はいったいどうなるの………?

< 194 / 313 >

この作品をシェア

pagetop