さよならリミットブルー
「っえ!?」
びっくりして目を開けると、まだ数センチの距離にいた碧人くんと目が合った。
「なっ………今……おでこ………?」
触れた額にパッと手を当ててみてもなんの熱も感じない。
本当に一瞬の出来事。
「なに、期待してたの?」
っ………!!
トントンッとわざとらしく自分の唇を触って、余裕の笑みを浮かべる碧人くんが憎たらしい。
だって普通なら口にされると思うじゃん!?
そんな碧人くんを見て自分の体温がさらに上昇していくのがよくわかった。
「期待なんかするわけないでしょ!!」
完全に遊ばれた………。
碧人くんは始めから唇にするつもりなんてなかったんだ。
ただわたしの焦る姿を見たかっただけ。
なんて意地悪な男だ。日野碧人という人間は。