さよならリミットブルー
「でも、いつか奪うから」
「んっ」
碧人くんの細い指先がわたしの唇に触れている。
これ、さっき碧人くんの唇に触ってた指じゃ…………。
もしかしたら間接キスと呼べるのかもしれない。
碧人くんと、わたしの。
「いいだろ?」
それって……今度はおでこじゃなくて口にするよって意味?
「だっ、だめっ………」
触れていた碧人くんの指先をそっと押し返した。
なんでそんな真剣な顔して言うの。
さっきも言ったじゃん、わたしは騙されやすいんだって。
碧人くんがかっこよすぎるからこんなに迫られたら誰だってドキドキしちゃうよ。
「………まぁ、断られてもするけど」
ほら。
またそうやって笑う。ずるいよ。