さよならリミットブルー

「ーーーお、そろそろ終わりみたいだな」


碧人くんのひと声でハッと目が覚めた。

ぼんやりしていた脳内が現実世界へと引き戻されたのだ。


長いようでもあり、短くもある、空の旅はもう終わりらしい。

こんな狭い空間でわたしは恋を知ったのかと思うと変にドキドキしちゃう。


いい思い出になるかな。なるといいな。


観覧車を降りる頃にはもうすっかり日は沈んでいて、微かに星が光って見える。

夕方ってほんと一瞬しかないんだね。


あんなに綺麗な茜色でも与えられた時間は短い。短いからこそ綺麗に見えるのかもしれない。


閉園時間がギリギリということもあり、どこもかしこも人が見当たらなかった。

観覧車を降りてから遊園地の出口まで歩いても、数えられる程度にしか人がいない。


結局ギリギリまで遊園地満喫したってことでいいのかな……?


「なんか、結局最後まで居たなぁ。俺って案外遊園地好きなのかも」


ほら、碧人くんもこう言ってることだしさ。

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