さよならリミットブルー
「ほら、ちょうどこんな感じの色してたよな?」
碧人くんが指を差したのは、どこか見覚えのある青色の石。
青というより群青色と言ったほうがより近いのかもしれない。
「確かに……こういう感じだったかも……」
1つ手に取ってみると、深みのある色の中に金色の斑点のようなものがある。
星空みたい………。
「えーっと、名前はラピスラズリだって」
「どこかで聞いたような名前だな」
「へぇ……じゃあ、ピアスに付いてたのって本当にこの石なんじゃない?」
実物のピアスがないから見比べられなくて残念だけど、こういう金色の模様があったような気もする。
はっきりとは思い出せないけどね。
「和名はなにかなぁ〜」
軽やかな声を上げてラピスラズリと記された隣の文字を読み上げようとした、
その時だった。
…………え。
この、石って………。
決して軽快に口に出せない文字がそこにはあった。
和名、『瑠璃』。