さよならリミットブルー
間違いない。この石だ。
こんな偶然が簡単に起こり得るわけないもの。
ラピスラズリ………2人の大切な思い出のピアス。
「瑠璃って………北上さんと、同じ……」
わたしが声を抑えた意味もなく、隣に立っていた碧人くんがその名を口にしていた。
その言葉が少し震えて聞こえたのは気のせいではないと思う。
なんだろう……この感じ……。
その瞬間、なぜかわたしの胸の奥がザワついた。
よくないことが起きる。
そんな黒い影が心を埋めていくような感覚がして落ち着かない。
「あ、石言葉なんてあるんだ……」
黙っていればいいものの、落ち着かない心とは正反対に口は勝手に動いていた。
名札の近くに書かれた説明文章に、ラピスラズリの石言葉が載っている。
小さく息を吸って、言葉を繋ぐ。
ラピスラズリの石言葉、
「「永遠の誓い」」