さよならリミットブルー

「わかった、今日は許す」

「わーい。ありがとう!」


はぁ……なにが「今日は許す」だよ。

ずっと許すの間違い。

これから先、俺が瑠璃に勝てる日は一生来ないんだろうなと実感した。


「あっ、でもね。今日遅れてきちゃったのは碧人にあげるプレゼントの包装に時間が掛かっちゃったからなんだ」


「プレゼント?」

「うん!」


持っていた鞄をガサガサと漁りながら「ふふふっ」とまた笑っている。

プレゼントって………俺に?

なんだろう。


「じゃじゃーん!」


ハイテンションな声と共に突き出したのは、綺麗な透明フィルムで包装された、青色の石がついたピアスだった。


「どうしたんだよ、これ」

「あー、その反応だとやっぱり忘れてるなぁ?」


俺へのプレゼントだと言っていたにもかかわらず、瑠璃は丁寧に包装されていた包みを勝手に開けていく。


おいおい、包装に時間掛けたんじゃなかったのか?

そうツッコミたくなる気持ちを抑えて「碧人は無神経だなぁ」という瑠璃の言葉を聞いていた。
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