さよならリミットブルー
「今日はわたしと碧人が付き合って1年の記念日なんだよ?」
「………あぁ、そういうことか」
そうだ、すっかり忘れていた。
瑠璃が近くにいるのが当たり前になっていたから、付き合って何日とか何ヶ月とか深く考えたことがなかった。
「碧人なら忘れてると思ってたけどさ。半年記念のときだって何もなかったもん」
「ははっ、ごめんごめん」
ーーー俺たちが付き合い始めたのはちょうど1年前の今日。
付き合い始めたのは高校に入学して少し経ってからだったけれど、瑠璃と出会ったのは中学生の頃。
小さい島なのに意外と住んでいる人が多くて、小学校は別々だった俺と瑠璃。
中学に上がり、同じ学校に通うことになった俺たちが初めて言葉を交わしたのは入学式の日だった。
たまたま席が隣同士だったこともあり、他の女子よりも話す回数が多かった。
変に気取ってなくて落ち着いてるし、何より話しやすくて意外と気が合う。
一緒に居て落ち着く友達。
初めはそんな印象だった。