さよならリミットブルー

「あのね、ラピスラズリの和名は瑠璃って言うんだよ。いつでも碧人の側に居れたらいいなって思って選んだんだけど………変かな?」

「そんなことない。俺は好きだよ、ラピスラズリ」

「えへへっ、ならよかった」


お互いの耳に揃った青色のピアス。

ふと横に視線をズラせば、ピアスを付けた瑠璃が居る。


たった1つのピアスを付けただけなのに、瑠璃と更に距離が縮まった気がして嬉しかった。

今時の若者がペタルックをしたがる理由もなんとなくわかった気がする。

同じものを身につけると俺だけのものなんだって自覚できるから。


守る人と守られる人。

このピアスがある限り、この先何があっても俺は瑠璃を守らないといけないな。

嬉しい大役だよ。


「あっ、でもね!和名が瑠璃だからって理由だけで選んだわけじゃないんだよ」

「そうなのか?」

「ラピスラズリの石言葉がわたしたちにぴったりだと思ったの」


今日は瑠璃のおかげでロマンチックな知識に詳しくなった気がする。

花と同じように石にも言葉ってあるんだな。
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