さよならリミットブルー

後悔はなかったはずなのに


『アンタ、誰?』


碧人くんの言葉が今でも頭の中に響いている。


なんの冗談?って笑い飛ばすことさえできなかった。

何も言えなかったのは、本気なんだって一瞬にしてわかってしまったから。

あぁ、冗談なんかじゃない……って。



「今の碧人くんの状態について1度説明させてください」


落ち着いた先生の声に、ピクリと肩が震えた。

碧人くんの、こと………。

碧人くんが目を覚ましてすぐ、わたしたちは先生に言われるがまま、別室へと案内された。

ほとんど放心状態で、移動している間も誰1人として口を開かなかったのは言うまでもない。


そんな異様な空気間の中、わたしたちが連れて来られたのは、碧人くんが寝ていた病室から少し離れた場所に位置する小さな会議室のような部屋。


「こちらにどうぞ」と先生に促されるまま、わたしたちは無言で椅子に身を預けて。


「それでは…」という先生の声を聞いた。
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