さよならリミットブルー
あの日以来、瑠璃とも連絡が取れない。
たぶん俺に気を使ってわざと話せない状況を作っているんだと思う。
バカなやつ……。
家から病院まで毎日3時間近く掛けて通っていたくせに、呆気なく俺を手放して。
最初からそのつもりだったんだろうけど、それならお人好しが過ぎる。
だから好きだったんだ。
どんなことにも真っ直ぐ向き合う強い瑠璃が、誰よりも。
それなのに、
「この気持ちが嘘だって言うなよ……」
急に別のヤツが好きだと言われても、そう簡単に受け入れられるわけがない。
たとえ別れを告げられても、今の俺はたしかに瑠璃が好きだから。
記憶がないんだ。忘れてるんだよ。
だから、二宮芽衣子とどう向き合えばいいんだ。
向こうはどうかしらないけど、俺にとっては名前しか知らない他人。
会えば何かわかるかもしれない。
口では簡単にそう言えても、何もできずに部屋に閉じこもってばかりいる。