さよならリミットブルー
ホームルームが終わった後は、誰よりも速く日野くんはすぐに教室から出て行ってしまう。
その背中を追いかけるのも結構一苦労だった。
今日こそは屋上に行く前に捕まえてやるんだから!
そんなくだらない目標を立てていると、
「よーし、今日はこれで終わりだ。お疲れ〜」
先生の声を合図にガタンッとみんなの椅子が鳴った。
すぐに後ろを振り向けば、いち早く教室から出て行く日野くんの姿が見える。
今日も変わらず教室を出て行くスピードが凄まじく速い。
でも、今日はわたしだって………!
「じゃあね、桃花!」
「バイバイ〜!頑張ってね」
ヒラヒラと手を振る桃花のエールを背中に受け、急いで教室から飛び出した。
廊下を歩く日野くんの後ろを見つけると、
「日野くん、待って!!」
決して振り返らない背中に向かって叫んだ。