さよならリミットブルー

碧人くんがわたしを、好き!?


「なっ……なななななにを………!?」


今のは幻聴?それとも別の人が乱入でもした?

けれど、碧人くんとの距離は変わらない。

真剣な眼差しでわたしを見るから、何を言ったらいいのかわからなくなる。

掴まれている腕が熱くて火傷しそうだ。

返事、何か言わなきゃ。


わたしは、碧人くんのことーーー。


「あ……」


「冗談だよ、バーカ」


あと少しで声が出かかったというのに、


「冗……談……?」


ベッと舌を出す碧人くんを見たら、急に力が抜けて地面に膝がついた。


「ふっ、面白いヤツ」


掴まれていた腕はいつの間にか離れていて、くすくすと上から笑い声が聞こえる。


「もっ……ちょっと信じちゃったじゃん………」


今でも心臓がドキドキとうるさく鳴っていた。

あんな真剣な顔で言うから本当に………本当に、わたしのことが好きなのかと思った。


なんて返事をしようか一瞬でも考えてしまった自分がアホらしい。

碧人くんのことはもちろん好きだけど、それは友達として。


恋愛感情はない。

本当に本当だ。

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