さよならリミットブルー

「2人共、そろそろお昼食べようよ。ちょうどここにブルーシート敷いてあるし」

「あっ、そうだったね」


話し込んでる場合じゃない。

碧人くんと無事に合流できたことだし、しっかり腹ごしらえをして午後の競技も応援をしないと。


わたしたちの学校では生徒の休憩スペースを作るため、体育際の時に限り中庭にブルーシートが敷いてある。

大きいのを1枚広げるんじゃなくて、数人用サイズのものをたくさん敷いてあるから、仲間同士でゆっくりできるのが嬉しいところ。


今日は早起きしてお弁当作ってきたし、碧人くん食べてくれるかな……?


「ねぇ、碧人く……」

「じゃーん!今日はお弁当作ってきたんだよ〜!」


…え。

わたしの言葉がちょうど掻き消されてしまい、いつの間にか目の前には桃花のお弁当が広がっていた。

タイミング無くしたわたしの右手は、鞄の中でお弁当を掴んだまま停止している。


「へぇ……料理できるんだ?」

「もしかして意外?さっ、食べて食べて!」

「あ、あぁ……」

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