さよならリミットブルー
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体が熱い。足が重い。
今すぐ床に転がりたいところだけど、そんなことしている暇はない。
集中を切らさないようただ1点をじっと見つめて、手を大きく振り切った。
パァンッと鳴り響く激しい音と共に放たれたボールは、相手コート目掛けて真っ直ぐ伸びてそのまま床に弾けた。
その後、体育館中に溢れる歓声を聞き、成功したんだと理解する。
はぁっ……無駄に汗かいてくるなぁ……。
「芽衣子、ナイスサーブ!」
「う、うん」
前方に立っていたクラスメイトがわたしに向かって手をヒラヒラと振っている。
それに応えるべく片手を挙げてみたが、それだけでもすごく疲れてしまった。
わたしってこんなに体力なかったっけ?
ピーッと鳴り響く笛の音を聞き、また再びボールを片手に真正面を向く。
「芽衣子ーっ!頑張れー!」
背後からは桃花の応援を受け、そのまま勢いでボールを飛ばした。