キミ依存症


彼は、私の目の前に立っていた。


少し髪を切って短くなっていた。





どうして……




「…ごめん。ちょっと入院してたんだ」



それが初めて彼が話した言葉だった。




彼が話終えるまでに、私はもう彼に向かって走り出していた。



「ど、どうしたの!?なんで泣いて…」

いつのまにか私は泣いていた。


こんなにも私は、彼を想っていたのか。


「もう…来ないと思ってた」



私は彼に抱きついて泣いた。



しばらく沈黙が続くと、彼は抱き締め返してくれた。


「ずっと、言おうと思ってたんだ。あの日はいきなりキスしてごめん」



私は首をぶんぶん振った。


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