キミ依存症
その日もバス停に着いて、いつものようにぼーっとしていた。
誰もいない、この空間。
私はこの瞬間が好きだった。
誰も私に干渉してこない。
静かな時間。
ずっとこのままだといいのに。
そう思っていた。
するとぴちゃぴちゃと水が跳ねる音がした。
誰かがこちらにやって来るみたいだ。
その音は私の目の前で止まった。
顔をあげると、その人は私の高校の制服を着ていた。
でも、1度も見たことがない男子だった。
前髪が長く、少し右目が隠れている。
黒髪で、背は170センチちょっとであまり高くない。
誰が見てもイケメンだという顔をしていた。
私はいつのまにか、彼の瞳から目が離せなくなっていた。
とても澄んでいて、綺麗だった。
私はその瞳に惹きこまれていた。
なんて綺麗な瞳をしているのだろう。