キミ依存症


その日もバス停に着いて、いつものようにぼーっとしていた。


誰もいない、この空間。

私はこの瞬間が好きだった。



誰も私に干渉してこない。
静かな時間。


ずっとこのままだといいのに。


そう思っていた。




するとぴちゃぴちゃと水が跳ねる音がした。

誰かがこちらにやって来るみたいだ。



その音は私の目の前で止まった。

顔をあげると、その人は私の高校の制服を着ていた。


でも、1度も見たことがない男子だった。


前髪が長く、少し右目が隠れている。
黒髪で、背は170センチちょっとであまり高くない。

誰が見てもイケメンだという顔をしていた。


私はいつのまにか、彼の瞳から目が離せなくなっていた。
とても澄んでいて、綺麗だった。

私はその瞳に惹きこまれていた。


なんて綺麗な瞳をしているのだろう。
< 2 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop