『大好き』と言えたらどんなに幸せだろう。
次の日の朝にはもう、昨日のドキドキなどすっかり忘れて目が覚めた。



「行ってきます。」


新しい制服。
新しいバッグ。
新しいリボン。
革靴だけは中学からの少し汚れたお古だ。



電車はとても混んでいた。


毎日これに乗るのか…。

いやだなぁー。




そんなことを思っていたとき、私の肩を叩いた人がいた。


振り向くとそこには友梨亜(ゆりあ)がいた。




「おはよう!!」


友梨亜は私の大親友。


この学校に入学しようと頑張ったのも友梨亜がいるから。


友梨亜とは中学生のときからずっと傍にいる。


地味な私は、友梨亜みたいなかわいい女の子に憧れている。


栗色の髪をくるくると巻き上げ、マスカラをたっぷり塗った瞳が大きく輝き、白く細い足が短いスカートからすっと出て、大きな赤いリボンが胸元で揺れていた。
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