『大好き』と言えたらどんなに幸せだろう。
「友梨亜。鞄学校指定じゃないけど大丈夫??」


友梨亜は中学のときから校則など守ったことがなかった。


私が言うと、友梨亜は笑った。



「だってこっちのがかわゆいもん。雫も同じのにしよーよ。」


私にはそんな勇気などどこにも備えられてはなかった。


黒い髪を二つに結び、目を隠すように眼鏡をかけ、太腿を隠し、指定の小さなリボンを襟を絞めるように付けていた。


学校までの道則には、私たちを祝福するように桜が満開に咲き誇っていた。


その間を歩いていくと、そこには私たちの学校が構えている。



『瑠璃黄南高等学校』



少しドキドキしながら教室に向かう。



教室の前にはクラスわけの紙が張ってあった。







恐る恐る紙を覗く。



「やった…。」


「やったぁ!!同じクラスだぁ!!」



友梨亜と同じB組。

ホッとした…。



友達の少ない私には、友達作りは一種の高度な技だと思っている。


友梨亜から離れたら何も出来ない気がしていた。
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