涙の雨
「来て。」
強引に手を引かれ、階段を上っていく。
「どこ行くのっ!?」
花菜は答えてくれない。
なにも言わないでただ走っていく。
「はいっ。ここに来たら大丈夫!!」
着いたのは、4階の校舎の端の空き教室。
古くなって使えないような机や椅子が
たくさん置かれていた。
「蒼太君と何かあったの?」
その言葉で私の心のなにかが
プツンッて切れた気がした。
「…ふぇっ…そっ、たがぁ…
そぉたがぁぁ!!」
とどめなく流れてくる涙。
涙は悲しみを流してくれるとか言うけど
全くそんなことない。
泣いても泣いても悲しみは
流れてくれなくて、涙は止まらなくて…