愛哀


 僕は彼女の柔らかい表情、やさしい性格、容

姿も全てが好きで日々幸せを感じていた。一緒

にいると心が落ち着いて毎日が幸せだった。

彼女もいつも笑顔で楽しそうだと感じていたが

それは、僕の勝手な思い込みだとしたら?

本当の彼女の気持ちはそうではなかったら?

特に嫌がらせなどをした心当たりはない。また

彼女に嫌がられた記憶もない。ただ彼女の本当

の気持ちはどうなのか。自分ばかり幸せを感じ

ていたのだとしたら僕は彼氏失格だ…

彼女の気持ちに気づいてあげられてないとした

ら?これが自意識過剰か?被害妄想なのか?

次々に思い浮かぶ。ネガティブ思考を繰り返し

自問自答を繰り返し、僕は自分を責めるように

なっていった。


 彼女の中で僕はどんな存在なのか。僕にとっ

て彼女はかけがえのない存在だ。彼女の居ない

部屋は静寂そのものだ。寂しさがこみ上げてく

る。彼女の気持ちを知りたい。彼女を大切にし

たい。守っていきたい。今すぐ抱きしめたい。

いなくなったりしないよね?手放したくない。


―早く会いたい。―

僕はそう強く思った。


彼女が出かけてから2日目の夜が終わった。


< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop