鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

「宣伝するに当たってさ、取り敢えず一回、お化け屋敷入ってもらえない?
知らないと、宣伝できないでしょ?」

「え? いいです、遠慮します。
取り敢えず楽しいですよ、怖いですよ~って、宣伝してきますんで」

「なぜ敬語?!」

「いやまぁ取り敢えず、あたしもう行くから!」

委員長を無視して歩き出したところで、後ろから腕を掴まれた。

「ひぁっ!」

「変な悲鳴出してんじゃないよ、俺だ」

人を驚かせておいて、なに涼しい顔しているんだか。
目の前の魔法使いを睨む。
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