鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
座り込むあたしを、お化けが心配そうに見つめてきた。

「大丈夫? 怖かった? ごめんね?」

「へ、へーき……。
こっちこそ、ごめん……」

お化けのクラスメイトの男子に手を取られて立ち上がる。

「立花さん、もう少しだからね?」

「うん、ごめんね、ありがとう……」

そっとそっと進んだら、ゴールが見えてきた。
真っ暗な幕の隙間から、明るい光が射している。
ふらふらとそこを目指す。
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