鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
「え? み、そら……?」

そっと離されて顔を見上げれば、瀬田も紅くなっていた。
なんなんだろ、これ。

「そうだ、あたし宣伝に戻るから!
瀬田は、受付に戻ってね?
あたし、中川さんと約束したの。
瀬田を受付にたたせるって。
約束、守ってね?」

「あ、ああ……」

走り出すあたしに、瀬田はつっ立ったままそう答えた。
良かった、中川さんとの約束、果たせそうだ。
< 137 / 246 >

この作品をシェア

pagetop