鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

それからまた俯いてたら、自然にヴェールが落ちてきた。
……結構、邪魔だ。

「バカ美空。
可愛すぎる……」

言って、ヴェールを上げて、瀬田があたしのおでこにチュッとした。
こないだの夜みたいに。

何故か湧き上がる体育館の歓声。

では、と、瀬田はひょいっとあたしを抱き上げた。
すたすた、舞台袖まであたしを抱き上げて運ぶ。
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