鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
あれをまた舞台で見せるなんて……。
あたしは瀬田の後ろに隠れた。

「ほら美空、出ておいで?」

「……恥ずかしい……」

後ろを向いて呼びかける瀬田のタキシードを、ぎゅっと掴む。

「しないと、終わらないんだから」

ね?
と、頭を撫でられて。
ついでに頬も撫でられた。
顎に、瀬田の親指がかかる。

「ちょ……?
ん……?」


あ、あたし、今、瀬田と、何、した……?
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