鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
「おぉっと!
皆様! 今の瞬間をまさか見逃してはいませんでしょうね?!
見ましたか? 見ましたかーーー?!」

会場がどっと湧いた。
司会者が興奮気味に煽り立てる。

両手で口を抑えるあたしの頭を撫でて、瀬田は嬉しそうに笑っていた。

真っ赤になったあたしは、その場から動けなかった。

「じゃ、失礼しましたぁ」

動けないあたしを、瀬田が抱き上げる。
< 177 / 246 >

この作品をシェア

pagetop