鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

「……瀬田なら、いい、よ……？」

綺麗な瞳を見つめ返して、恥ずかしいけど返事をする。
いつか誰かと付き合うことがあるのかもって思っていたけど、それが瀬田なら、嬉しい。
楽しいし、意地悪だけど優しいし……。
好きだから。

今、気がついた。
そっか、あたしも瀬田を好きだったんだ……。
恋をしたことないからわかんないって思ってたけど、きっと、これが恋なんだ。
ドキドキして、心がきゅっとして、何だかほこほこしてる。
初めての恋が、あたしは瀬田なんだ。
今の今まで気がつかなかったけど……。

「っ……！
良かった……！
ありがとう、美空！」

ますます強く抱きしめられて、あたしはクラクラした。