鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
堂々と、舞台で特技や練習の成果を発表できる姿は、とってもかっこよく見える。
すごいな、あたしにはできないけど。
そもそも、ここに居ること自体が自分としては信じられないくらいなのに。

「では、お待たせいたしました!
今年のカップルコンテスト、上位入賞者をお披露目です!」

司会者の声が会場に響く。

「わ、やだ、どうしよ……」

「美空、大丈夫だから」

ぎゅっと、手を握られる。

目の前を、三位になったらしい先輩カップルが通り過ぎて行った。
舞台でにこやかに自己紹介をして、手を振っている。
< 208 / 246 >

この作品をシェア

pagetop