鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
「美空?」

ガラリと入口の戸が引かれて、制服姿の瀬田が出てきた。

「瀬田、あのね……」

「なに?」

「えっと、これからよろしくお願いします……?」

目を見開いて、あたしを見て、それから笑い出す瀬田。

「え、何だよ、急に」

「や、だって、お付き合い、するから……」

なんで聞くのよ、知ってるくせに。
やっぱりこれも、意地悪なの?
おかしなこと、言ったのかな?
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