鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
「あ、ウエディングカップルがイチャイチャしてる!」

「どれどれ!
あ、本当!」

「わー!」

騒がしい声に、あたしは慌てて顔をあげた。

「も、バカ!
瀬田どいて!」

見られてるよ? と瀬田の胸を押して離す。

「え? 知ってるけど?」

ははは、と瀬田は声を上げて笑った。

「周囲に気づいてるなら、やめてよっ!
バカっ!」

もうっと怒って顔を背けたところで、肩を抱かれた。
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