鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
瀬田が指差す口の周りを、慌てて触る。
あれ?
どこだろ?

「ここ」

口の端に瀬田の指先が伸びる。
あたしの口の端についたケーキを指ですくって、瀬田はそのまま自分の唇の運んだ。

「やだバカ!
何してるの?!」

「ん? ちょっとケーキ食べただけ」

「バカァ!
恥ずかしいの嫌、目立つの嫌っていってるのに!
今日はどうしてそんなふうなの?!」

こーゆーのやめてって、言ってるじゃないの。
うう、こいつ、本当にバカ……。
< 243 / 246 >

この作品をシェア

pagetop