鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語
「お前、一生?!
そーか、俺は一生バカ優斗な!
うんうん、問題ない!
いいよ? 一生そう呼んでくれて」

なんだろうこいつ。
本当にバカね、と、あたしは言って、瀬田と並んで教室を出た。

「あの二人、本当に付き合ってないの?」

「恋人と言うか、夫婦じゃね?」

あたしたちが出たあとの教室で、そんな会話がされていたなんて、知る由もない。
そして、中川さんが悲しげにこちらを見ていたことも。

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