鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

よくわからないけど、二人はあたしの話をしているらしいことはわかった。
お母さんがやれやれ、と言ったような顔で、カウンター越しにあたしを見ている。

「ん?」

何か言いたげな二人に声をかけるも、二人は苦笑いでこちらを見るだけだった。

「瀬田君って、気が長いのね」

「ええ、まあ……。
まだまだ、待ちます」

「だから、何の話し?」

「さぁな」
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