鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

委員長は苦笑いを浮かべる。

「お前は立花か!」

「なわけねぇだろ!
代弁だ、代弁!」

委員長のツッコミを軽くかわして、瀬田はあっさりそう言い放った。
言い終わって席に着いた瀬田に、小さな声でお礼を言う。

「あたしの言いたいこと、よくわかったね?
代弁上手だね、ありがと。
大人になって困ったら、相談するから弁護してね」

そう言って笑うと、ジト目で睨まれた。
お礼を言って睨まれるのは、不思議な気分だ。


「なんで睨むの?」

「うるさいよ、バカ美空」
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