鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

「さっきも言ったろ?
こいつにそんな根性、ないよ。
クラスで手を上げて意見言えないくらいの小心者に、舞台に上がれっていってんの?」

無理無理、と、手を左右に振りながら隣で瀬田が笑う。
のんびりと、黒板に書かれていく白い文字を眺めながら、そんな様子を横目で伺う。

なるほど、視線を集めていたのは瀬田だったのか。
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