choice 01
受付の女性と、コックらしき男性は「失礼致します」と言い、専用のカウンターに料理を並べていく。
女性陣が「美味しそう」と、口々に言うなか、二人は淡々と料理を並べていく。
女性陣の言う通り、パスタや肉料理、魚介類と、いった美味しそうな料理が次々並べられていく。
皆が注目する中、料理を並べ終えた二人は、皆の方を向き一礼し、男性の方が言った。
「皆様…この度は、大型クルーザー『エンジェル』へ、ようこそ御来場下さりました。船長兼コックの山村 崇(やまむら たかし)と申します。一週間よろしくお願いします致します」
どうやらこの山村という男性は、この船の船長まで兼任しているようだ。
山村の丁寧な挨拶が終わると、次に先程受付をしていた女性が、言った。
「船長の助手を任されております…一ノ瀬 椿(いちのせ つばき)です。よろしくどうぞ」
助手の椿の挨拶が終えると、船長の山村が再び話始めた。
「後…20分程…、12時正午に出航致します。目的地ですが…この港から南東へ数百キロ先の、プライベートリゾート島へ向かいます。何事もなければ、深夜には現地に到着します」
九条が山村に質問した。
「深夜の到着だと、今夜はこの船で宿泊し、明日の朝に島に入ると…?」
椿が山村に代わり答えた。
「その通りでございます。リゾート地とはいえ、自然が溢れる所らしいので、深夜の危険がないとは言いきれません」
危険というフレーズに女性陣は少し反応したが、椿は構わず続けた。
「ですので、今夜は目的地の港に船を停泊させ、明日の朝に皆様には島に入って頂きます」
愛美は安心したように言った。
「その方がいいわ…、ヘビとか出たら発狂しちゃうかも…」
愛美はジャングルでも想像しているのだろうか?容子にも同意を求める。
容子は愛美に合わす感じで言った。
「そうね…。私もヘビはちょっと…」
二人の中では、蛇が出現する事が前提になっているようだ。
そんな不安そうな女性二人を心配してか、山村は言った。
「ご心配なさらずに…危険な生物は確認されてないようですので」
山村の話を聞いて、愛美と容子は「よかった、よかった」と言い、安堵の表情になった。